ミツバチの生産物には、はちみつの他にミツロウ、プロポリス、ローヤルゼリー、ビーポーレンなどがあります。
今回はプロポリスについてです。
プロポリスとは?
プロポリス(ハチヤニ)はみつばちが木(新芽や樹皮)からかじり摂った植物の分泌液にみつばちの分泌物、ミツロウ、花粉を混ぜあわせて作られた希少価値の高い樹脂性の物質です。
植物は自らが傷つけられると樹脂を分泌します。
この樹脂には優れた抗菌作用があります。

プロポリスをミツバチはどう使っているの?
巣を丈夫にし病気から守る
- 巣材として巣の入り口などに接着剤のようにプロポリスを塗って補強や補修をし、外敵や細菌の侵入を防ぐ
- プロポリスの強力な殺菌力により巣の中での病原菌などの繁殖を防ぐ
- 外敵が巣に侵入したとき、それを殺してプロポリスで包み、腐敗を防ぐ
このような働きがあることから、プロポリスは天然の抗生物質と呼ばれています。
プロポリスは西洋ミツバチしか作りだすことができない
東洋ミツバチ(日本ミツバチ含む)はプロポリスを作りません。
その理由は、巣を補修して使うということをせず、壊れてしまったらすぐに引っ越すことや、日本ミツバチはプロポリスに変わって細菌を抑える酵素を持っていることなどが挙げられます。
プロポリスの成分
プロポリスの産地によってさまざまですが、一般的には主に、樹脂、ミツロウ、精油、花粉、微量栄養素として有機酸、脂肪酸、アミノ酸、ビタミン・ミネラルです。
プロポリスの効用 抗菌作用に加え抗酸化作用が強い
抗菌、抗炎症、抗アレルギー、止血作用、活性酸素の消去、脂質酸化反応の抑制など
プロポリスに特徴的な成分はフラボノイド
上記の栄養素がバランス良く含まれていますが、プロポリスに特徴的な成分は、フラボノイド類です。
フラボノイドはポリフェノールの一種で、発がん物質の活性化を防ぎ、活性酸素を中和します。
ブラジルのプロポリスが有名
巣箱のある所が過酷な環境であるほどミツバチは自分達を守るために高品質なプロポリスを作ります。
中でもグリーンプロポリスはブラジルのミナス・ジェライス州にしか自生しないアレクリン(キク科の植物)という薬用植物の樹脂や花粉がたくさん含まれています。
緑がかった色をしており、フラボノイドが特に豊富。
アレクリンの新芽にのみアルテピリンCという有用成分が含まれる
アルテピリンCとは桂皮酸誘導体の一種で、プロポリスに多く含まれるフラボノイド類との相乗効果も高いといわれています。
ピリピリとした味や苦みが苦手な方は、ジュースやはちみつと混ぜると飲みやすくなります。
原液タイプはお手持ちの化粧品に混ぜて使ったりも。
様々なプロポリス製品はプロポリスの原塊から抽出し作られる
原塊とはみつばちの巣から取り出した状態のもの。
プロポリス入りキャンディ
のど飴タイプは、甘めに調整されているものが多いので、ピリピリした辛みが苦手な方も比較的摂りやすい。
とはいえ、通常ののど飴に比べるとピリピリ辛い。
スプレータイプのもの
さっと摂れて持ち運びにも便利。

プロポリス入り歯磨き粉
マヌカハニーとプロポリスのダブルで抗菌抗炎症。

プロポリス摂取に注意が必要な方
ハチに対するアレルギーのある方や1歳未満の乳児は摂取するのを避けましょう。
また、幼児の使用に関しては、製品ごとに推奨年齢が違う場合がありますのでご確認ください。
喘息などアレルギー体質の方は注意が必要です。
かぶれなどが生じた場合はアレルギーの可能性がありますので、使用を中止してください。

まとめ
プロポリスは樹木の分泌物とミツバチの分泌物があわさることで両方の利点を取り入れることができる優れもの。
はちみつだけでなくミツバチの生産物は今もさまざま研究が行われ、その有用性が明らかになってきています。
自然の恵みに感謝しつつ上手に取り入れていきたいですね。
参考文献
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